Thank you DIRK! Thank you D-Wade!

一年以上更新してませんでした。

お久しぶりです、naoです。

今回は僕の大好きなアメリカのプロバスケットボールリーグ・NBAについて、少し綴っていきます。 興味がある方はこの先も読んでいっていただければと思います。

先日NBAは18-19年のレギュラーシーズンが終了し、14日(現地13日)からはプレイオフ(野球で言うところのクライマックスシリーズ)が始まります。

全30チームの中から東西の上位8チームずつがしのぎを削り優勝へと突き進んでいく訳ですが、下位の計14チームはプレイオフに進出できないため、必然的に今シーズンは終了、来シーズンへの準備を一足早く進めることとなります。

そんな中、2人の偉大な選手が今シーズン限りで引退をしました。

1人はマイアミ・ヒート(MIA)所属のドウェイン・ウェイド

そしてもう1人はダラス・マーベリックス(DAL)所属のダーク・ノビツキー

です。

ウェイドは2003年の全体5位でMIAに指名され、ルーキー時代からチームの顔として活躍・成長してきた実力者。得点を初めとした幾つもの項目において球団記録を保持し、オールスター選出は実に12回、リーグ優勝も3回経験しています。

類稀なる運動能力とセンスを併せ持ち、年齢を重ねてスピードが落ちても独特のリズムでディフェンスを切り崩す。相手にとってこれほど嫌な選手はそうはいないでしょう。

今シーズンの始まる前から「今年で最後だ」と公言していたこともあり、彼はホーム・アウェイかかわらず大歓声を浴びてきました。

ツイッターでは「#OneLastDance」というハッシュタグが連日飛び交うお祭り状態。日を追ってもなお衰えない彼のプレイを見て、「引退しないで!」と言うファンも多く、実際僕もその1人でした。

球団社長のパット・ライリー氏に至っては「40歳まで続けて欲しい」とラブコールを送るほど。それだけファンからもチームからも愛される選手でした。

ノビツキーは1998年にNBA入りしたドイツ出身のプレイヤー。213cm(俗にセブンフッターと呼ばれる)の長身でありながら長距離のシュートが上手く、ドリブルでディフェンスを後退させてから片足を残してフェイダウェイ(後ろに下がりながら放つシュート)というかなり難度の高い技を武器に得点を量産。得点数でNBA史上6位につけています。

ノビツキーNBA全体に3つの大きな変化をもたらしました。

1つは上記の技を真似する選手が増え、一般化したことです。

そもそもフェイダウェイとはブロックされるのを防ぐための技ですが、それを長身のノビツキーが完璧にこなしたらブロックするのは相当厳しいです。

これを見た他の選手は「自分もこの技を取り入れよう」と思い、この20年ほどで一気に浸透していきました。 今やノビツキーのこの技はNBAのスター選手達が最も用いるものの1つとなっています。

2つ目は「ストレッチ4」「ストレッチ5」という概念を作り出したことです。

「ストレッチ」とはディフェンスを外側、つまりは3ポイントラインにまで広げることのできる選手のことで、「4」はパワーフォワード「5」はセンターを指します。

要するにストレッチ4・5とは「3ポイントを狙えるパワーフォワード・センター」という意味です。

ポイントガード→1 シューティングガード→2 スモールフォワード→3 パワーフォワード→4 センター→5

と、ポジションを単に番号で言うこともあります。

彼がNBA入りした当時、長身でシュート力のある選手というのはほとんどおらず、「背の高くフィジカルのある選手は5番ないしは4番」という考え方が一般的でした。それだけに彼の登場は衝撃で、以降徐々に3ポイント〜その少し内側のシュートを習得した4番以上の選手が出てきました。

何故習得するのか?オフェンスの引き出しが増えるからです。

引き出しが増えるとどうなるか?3ポイントもある、とディフェンスが警戒します。

警戒するとどうなるか?ディフェンスは非常に付きづらくなり、不利となります。

それまでは4・5番の選手が3ポイントラインにいてもタイトに守る必要はありませんでした。しかしノビツキーの登場が、多くの選手が3ポイントを打てるような環境への変化を促したのです。

とは言っても全員ではなく、従来の4・5番の役割を全うする選手もいますが、彼らは現在「オールドタイプ」と言われています。決して卑下した呼び方ではないのですが、このような言葉が生まれるほど、NBAは様変わりしたと言って差し支えないでしょう。

そして3つ目はヨーロッパ選手のNBA入りを促したことです。

ノビツキー以前にもヨーロッパ出身の選手はいましたが、彼の活躍以降は爆発的に増えています。ここ最近は毎年のようにヨーロッパの選手がドラフトで指名されており、中には全体1位で指名された選手もいました。

※18-19シーズン開幕当初は全42カ国108人の選手が登録されていたようです

(出典:2018/10/17のRakuten NBA News https://www.google.co.jp/amp/s/nba.rakuten.co.jp/news/article/1218/%3famp=1)

ヨーロッパ出身の選手達は皆、ノビツキーを偉大だと尊敬しています。彼がいるからという理由でNBA入りを果たした選手もいるほどなのです。

さてここまでウェイドとノビツキー両氏の功績を長々とお話ししましたが(ノビツキーの方は長すぎましたね…)、このような多大な影響力のある選手が同時に引退するというのは、いつか来るとは覚悟していましたが、やっぱり寂しいなと。僕がNBAを観始めた時から第一線で活躍していた選手ですし、ウェイドは16年、ノビツキーは21年と長期にわたりリーグを引っ張ってくれた存在ですから。

一方で、2人の影響を受けた選手達が今後より一層活躍し、リーグにインパクトを与えていくことに期待が高まって止みません。

2人がそれぞれ付けていた"3"と"41" は間違いなく永久欠番となることでしょう。

約10年間、一ファンとしてとても楽しませてもらいました。ありがとう!そして本当にお疲れ様でした!

Thank you DIRK!

Thank you D-Wade!